2022年の輸出データによると、国内ブタノン1~10月の輸出量は22万5600トンで、前年同期比92.44%増加し、同期としては約6年ぶりの高水準となった。2月の輸出量のみが前年同期を下回り、1月、3月、4月、5月、6月は前年同期を上回った。昨年と比べて輸出量が急増した理由は、2021年も国際的な疫病が引き続き蔓延し、特に東南アジアなどの地域で流行し、下流のブタノン工場の稼働負荷が低く、ブタノンの需要が制限されるためである。また、海外のブタノン装置は装置のメンテナンスを必要とせず正常に稼働しており、海外の供給も比較的安定しているため、昨年のブタノン輸出量は低迷した。今年上半期は、ロシア・ウクライナ戦争勃発の影響を受け、欧州では猛暑で供給不足となり、価格が急騰し、国内市場との価格差が拡大した。国内企業の輸出意欲を高める裁定余地がある程度あった。また、丸三石油化学と東蘭化学の2つのブタノン工場の閉鎖の影響で、海外供給が逼迫し、需要が中国市場へ向かっている。
価格比較で見ると、2022年1月から10月までのブタノン輸出の月平均価格は1539.86米ドル/トンを超え、前年同期比444.16米ドル/トン増加し、全体的に上昇傾向を示した。
輸出貿易相手国の観点から見ると、2022年1月から10月までの中国のブタノン輸出は、主に東アジア、東南アジア、欧米などの国々に向けられており、輸出パターンは例年とほぼ同じである。上位3カ国は韓国、ベトナム、インドネシアで、それぞれ30%、15%、15%を占めている。東南アジアへの輸出は全体の37%を占めている。近年、中央アジア、南アジア、欧米への輸出拡大に伴い、ブタノン輸出は継続的に成長しており、輸出規模は拡大し続けている。
輸出登録地の統計によると、2022年のブタノン輸出量が最も多いのは山東省で、輸出量は158,519.9トンに達し、全体の70%を占める。この地域には、中国最大のブタノン生産能力を持つ七郷騰達の年間26万トンのブタノン工場と、山東省東明利樹の年間4万トンのブタノン工場があり、中でも山東七郷は国内の主要ブタノン輸出国となっている。次に多いのは広東省で、輸出量は28,618トンで、全体の約13%を占める。
投稿日時: 2022年11月29日